キンセル 電子書籍セール速報

電子書籍のセール、新刊発売速報や、Amazonビデオの他、コラボアイテムで気になったものを速報を致します。

【Kindleオススメマンガ⑭】『ふたつのスピカ』:柳沼行(宇宙飛行士を目指すアスミの姿に感動)

作品タイトル:ふたつのスピカ

著者:柳沼行
出版:コミックフラッパー

[作品のあらすじ]

日本初である有人探査宇宙ロケット「獅子号」の打ち上げ失敗により、墜落した中心街では大きな被害を受けました。主人公である鴨川アスミも母親を獅子号墜落事故で亡くし、父親と2人で暮らしていました。

そんな時、ライオンの被り物をした幽霊と出会ったことをきっかけにアスミが宇宙飛行士に憧れるようになります。
宇宙学校に入学し、小柄ながら卓越した身体能力と持ち前の努力で、かけがえのない友人たちと宇宙飛行士を目指していくのでした。

 

[作品の推し所・感想]

ふたつのスピカは「読んだ方の大多数が涙する」という宣伝がされていた作品で、近未来が舞台となりますが、どこかアナログ的な魅力があり、ノスタルジーで切ない雰囲気のある物語です。

主人公である鴨川アスミが一生懸命に宇宙飛行士になりたくて努力する姿は、読んだ方の誰もが心を打たれるでしょう。宇宙飛行士を養成する学校に入学しますが、アスミは父親しか家族がいませんから、学費を少しでも抑えるためにボロボロの寮に住みこんでアルバイトをしながら生活を送っているのです。日中は宇宙飛行士の訓練を受けて、夕方にアルバイトをする。そして深夜遅くまで勉強をする姿は、一朝一夕では行えませんよね。
そんなアスミを支える友人たちも、皆が人を思いやる優しさを持っているので好感が待てます。ライオンの被り物をして、アスミが宇宙を目指すきっかけを作った「ライオンさん」は、最年少宇宙飛行士で獅子号の乗組員だった過去を持ち、この作品のシンボル的なキャラクターです。宇宙飛行士の経験を活かしてアスミを幼い頃から訓練に協力していました。アスミの卓越した身体能力は、そういった訓練の賜物なのです。

学友たちもライオンさんのようにアスミを支える・支えられている良い人間関係を保っています。素直になれないながらもアスミを尊敬する「府中野新之介」や元気で明るいムードメーカの「近江圭」、不思議なオーラを放つ美少女「宇喜多万里香」、政治家の息子でどこか気怠い雰囲気のある「鈴木秋」など、キャラクターたちの優しさに良い意味で打ちのめされた作品でもあります。

過去を回想するシーンが多いことも特徴で、獅子号の墜落で何が起こったのかやキャラクターの心情が丁寧に描写されています。生と死に関する難しいテーマも存在し、宇宙飛行士を目指すだけが「ふたつのスピカ」のテーマではないのです。
不器用でも一生懸命に努力するキャラクターの姿は非常に勇気をもらいますし、自分も一生懸命に生きなければと思える希少な作品です。