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【Kindleオススメマンガ⑪】『辺境の老騎士 バルド・ローエン』:支援BIS、 菊石森生(中世ファンタジー+グルメ漫画)

作品タイトル:辺境の老騎士 バルド・ローエン

著者:支援BIS、 菊石森生
出版:ヤングマガジンコミックス

[作品のあらすじ]

そこは<大障壁>と呼ばれる高い壁に囲まれる事で外界に棲む<魔獣>から守られている世界。しかし壁には一か所だけ切れ目が存在し、そのパクラ領において体を張り魔獣と戦う役目を帯びた騎士の一人が、主人公となる青年<バルド・ローエン>です。

彼はパクラ領を治めるテルシア家に騎士の位を授かり、その忠誠を民に捧げる<人民の騎士>。そうして還暦近くまでパクラ領で戦い続けたバルドでしたが、その大きくなり過ぎた名声が近隣諸国の政治に利用されそうな事態を受けて現役からの引退を決意します。私財を国に返上し、自分の育ててきた後進たちに後を託して一人旅に出るバルド。この旅が後に世界中で語り継がれる冒険となるのでした。

[作品の推し所・感想]

単行本の表紙を飾る渋い老騎士が、作品タイトルにもなっているバルド・ローエンです。物語はバルドの青年時代から始まり、彼がパクラ領の騎士として民を守って闘う姿や、領主<ハイドラ>とその娘である<アイドラ>と過ごした平和な時が描かれます。魔獣を蹴散らす強さを持ちながらも嫌味なところが一切なく、誠実で人懐っこい、老若男女から信頼を寄せられる好青年のバルド。そんな彼にとても懐いている幼き日のアイドラ。プロローグで描かれる彼ら二人のエピソードは何とも甘酸っぱく切ないものでした。
旅に出てからの第2話以降は近隣のドルバ領から送られた刺客との戦いや、パクラ領では見られないこの世界に隠された神秘に触れるなど、波乱に満ちた冒険が描かれていきます……が、特に印象的なのは、やけに力の入ったバルドの食事風景です。

この作品の丁寧な描写はバトルや人間ドラマだけにとどまらず、食事のシーンにおいても発揮されます。ただ川魚を釣って塩焼きにして食べるだけでも数ページを使って描写されるのです。旅先で出会う見慣れない食材にも興味深々。魔獣や凄腕の刺客と対峙している時の迫力はどこへやら、子供に帰ったかのような無邪気な笑顔で食事を満喫し始めます。「うまい酒とうまい食い物があって、それを食べることができる。こんな幸せはあるまいよ」としみじみ述べるバルド。そんな彼の姿を見ていると、読んでいるこちらまで一緒に食事したくなってくること必至です。

この作品は原作がWEB小説であり、漫画版の単行本だけでなく小説版もKindleで配信されています。また最初に投稿された「小説家になろう」でも読めますので、まずは作画が綺麗で読みやすい漫画版から入っていくのもおすすめです。