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【Kindleオススメマンガ⑥】シェイクスピア作品の誕生伝!!『七人のシェイクスピア』:ハロルド作石(作品の面白さを堪能するだけではなくシェイクスピア作品の舞台を見る上での楽しみも与えてくれる)

作品タイトル:七人のシェイクスピア

著者:ハロルド作石
出版:ヤングマガジンコミック

[作品のあらすじ]

主人公ランスと相棒で幼馴染の商人ワース。ランスは自身の野望である舞台を作り上げ名を轟かせることに魂を注ぐ。相棒ワースは舞台に興味は無いが類稀なる商才を活かし、ランスを経済的にサポートする。

ランスは後々のウィリアム・シェイクスピア本人なのだが、ランス、ヒューズともう1人、シェイクスピア作品の作成に大きく携わる1人の少女がいた。彼女の名前はリー。事故で川に流されていたところをランスとワースに救われ、生活を共にすることとなる。

ある時、彼女はわずか1ヶ月ほどで英語をマスターしたことから天才的な語学力と詩才を兼ねていることが判明する。彼女の生み出す詩は、シェイクスピア作品に大きく影響を及ぼすこととなる。

[作品の推し所・感想]

ウィリアム・シェイクスピアは実在した人物だが、この物語自体は、ほぼ空想の物語と言っていいだろう。しかし、時代背景はしっかりしているので、伝説の戯曲家、シェイクスピアが生きた時代、演劇という娯楽は世間一般のどの位置付けにあったのか、またそこにシェイクスピアが関わることによってどのような革新をもたらしたのか。時代背景をしっかりと理解した上でシェイクスピアの素晴らしさを堪能することができる。また、空想の物語とはいえ、リーという少女の存在はSF要素も盛り込まれているような感覚になる。

それほどまでに、シェイクスピアという人物が、あの時代で中流階級の身分で舞台を作り上げ、名作を生み出すことが、想像を絶することであり、現実的には表現しきれないとてつもないことを成し遂げた戯曲家なのだろうということが分かる。私自身、シェイクスピアの作品自体はある程度のあら筋くらいは知っているにせよ、その素晴らしさ、美しさを理解できるほどの才能は無い。しかし、あの有名な「ヴェニスの商人」がこのタイミングで、ここまで切羽詰まった状態で絞り出したものなのかと、作品誕生の瞬間に立ち会えたことに少しだけ得をした気分になれる。それがフィクションにしろノンフィクションにしろ、シェイクスピアの苦悩を漫画という形で見ることができるおかげで、そこまで得意では無いシェイクスピア作品を少し違った目線で、今後見ることができるだろう。

「七人のシェイクスピア」という作品の面白さを堪能するだけではなくシェイクスピア作品の舞台を見る上での楽しみも与えてくれる、一石二鳥ともいえる漫画という現代の娯楽作品で、一昔前の娯楽の素晴らしさも堪能してみてはどうだろう。