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【Kindleオススメマンガ②】少女が自分に正直になっていく物語『ニュクスの角灯』:高浜寛 (スカッとハッピーエンドが好きな方にはあまりお勧めできません)

作品タイトル:ニュクスの角灯

著者:高浜寛
出版:リイド社

[作品のあらすじ]

明治の長崎で、道具屋「蛮」に訪ねてきた主人公、美世。

彼女は西南戦争で親を亡くし、奉公先を探していたのですが、読み書きも縫い物も算術もできず、なかなか奉公先が見つかりませんでした。しかし彼女には触ったものの過去と未来の持ち主が分かるという神通力があり、店主のモモと名乗る人物に採用されます。

パリの万国博覧会で仕入れてきた道具屋「蛮」の様々な品に囲まれながら、美世は様々な人達と出会い、様々な体験をしていきます。

[作品の推し所・感想]

全体的に切ないお話になりがちなので、スカッとハッピーエンドが好きな方にはあまりお勧めできませんが、繊細な心理描写や明治初期の洋物を扱うお店の雰囲気、そういったものが好きな方には是非お勧めしたい漫画です。

見どころはやはり主人公の美世がどんどん成長していくところで、他のキャラを見ながらも「今主人公はどんな気持ちなのだろう」などと横目でチラッと見たくなってしまうような、そんな危うげで自己評価が低く、常にビクビクしている主人公が、様々な人、様々な切ない出来事と関わって、子供ながらに様々なことを思い考えている姿がグッときます。また、主人公の思いよりもさらに現実が複雑で切ないことが多く、「実際はここまであるけど、主人公が考えられているのはこれぐらい」といった描写がきちんとされているため、物語の世界観にどんどん引き込まれていってしまいます。

登場人物全員が様々な悩みや苦しみを抱えながらも前向きに生きていく様子なども、これまでのことが全てひっくり返されるような無力感と、これからどうなるのかという不安、しかしその中にある新しいものや海の外への期待、ワクワクする感じなどが入り混じった明治初期がよく表されています。

コミックスは現在全部で3巻出ているのですが、最新刊の3巻の内容はこれまでの全体を全て覆すような衝撃的な内容で、3巻でようやく物語が真の姿を現わすと言っても過言ではないので、読まれる際は是非3巻まで読んでいただけたらと思います。